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TEXTILE MUSEUM vol.17

2023年01月30日

TEXTILE MUSEUM vol.17

TEXTILE NAME#17 KABUKI Print

 

FEATURE COLLECTIOIN

2017 SS COLLECTIOIN

―何れ菖蒲か杜若―



THE STORY OF TEXTILE

コレクションのタイトル「何れ 菖蒲か 杜若(いづれ あやめか かきつばた)」は、「どちらも優れていて優劣つけがたい」という意味の言葉。源頼政が褒美に美女を賜る際に、数多くの宮女を前にして詠んだ歌が語源と言われています。ほかにも「立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花」など、日本古来の美人を表す言葉が好きで、イメージを膨らませていきました。

そこから「傾く(かぶく)」をモチーフにコレクションをつくりたいなと思い、絵をお願いしたのは、画家の宇野亜喜良先生。僕は小さいころから宇野先生の作品が大好きで、今なお第一線で、独自の世界観を古くならずにフレッシュな感性でずっと描いていらっしゃる憧れの存在です。

これより以前のコレクションでも宇野先生に絵をお願いしたことがあるのですが、僕自身がファンだったので、形にできたことがすごくうれしかったのを覚えています。そこから交流が始まり、宇野先生がお手伝いされている劇団の衣装を僕が作ったりもしました。


KABUKI Printは、宇野先生にたくさんモチーフを描いていただいて、相談しながらそれを組み合わせ、プリント柄に仕上げたもの。ドレスやスカート、パンツ、開襟シャツなどをつくったほか、翌年にはこの柄の浴衣も発表し、大変ご好評をいただきました。

 

いつか宇野先生に、KEITA MARUYAMAの服を着た男性や女性の絵を描いていただいて、個展をできたらな…というのが、僕の夢なんです。