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丸山敬太の徒然なるままに vol.5

2022年01月28日

丸山敬太の徒然なるままに vol.5

STAR!!!

 

子供の頃からの憧れ、いわゆるスターと呼ぶべき人達にどれだけ出会ってきたのだろうと思う。それはTVの中だったり、スクリーンの向こうだったり、また、ものを書いたり、描いたり、創ったりする人だったり、歌ったり、踊ったり、表現したり、、、数えきれない程の星の輝きのおかげで、僕の人生は彩りを増しそしてその光を目指して歩く日々がある。

Fashion Designerとしての僕のSTAR、、、そんな風に改めて記したり考えたことがないのだけど、好きなデザイナーとか影響を受けたデザイナーとか、その手の質問は、ものすごく沢山受けてきて、その都度「どのデザイナーもリスペクトしているし、好きなシーズンもそうじゃないシーズンもあります」とか、(それはそう)一番影響を色濃く受けたと思うKENZOさんの名前をあげさせていただく事が多かったと思う。

 

ティエリーミュグレーさんが亡くなった。



あまり今まで彼について多くを語ってこなかったと思うし、僕のスタイルの中にそこまで「ミュグレー」の影響って感じないだろうなぁーとも思っていた。

今、パリで図らずも彼の回顧展をやっていて、僕は行きたいなぁー、行けたらいいなぁーってずっと思っていたのだけど、昨年友人のデザイナーの若林君が、パリで観に行った時に「Thierry Mugler展でケイタさんとケンゾーさんより、ケイタさんとミュグレーさんの方が近い気がしました。テイストは全く違うのに、ケイタさんを想い出さずにいられなかったです。。。」というメッセージをくれた。


す、、するどい。流石の洞察力。。。


ミュグレーはフェティッシュ感が強いし、一歩間違えるとアパレル品、どうなの?っていうの多いし、誤解されやすいから、あまり人には言った事がないのだけれど

自分のファッション人生の中で、誰かの一番好きな作品をあげろと言われたら、DiorでもCHANELでもKENZOでもなく、Muglerの80年代の春夏、、不思議の国のアリスをテーマに繰り広げられた、ファンタジーショーの、ラストシーンのフラワードレス。小夜子さんやPatが着たぼかし染めのキッチュなお花そのもののドレスなのです。

10代の頃、ミュグレーのお店はラフォーレ原宿にあって、(今思えば1階はフィオルッチだったり、ラフォーレってすごい。)そのお店の店頭で何度も何度もリピートされるショーの映像を立ちっぱなしで観てるあやしい若者は。私です。笑
本当にずぅーーーっとみていられた。

90年代になってからのミュグレーは、いわゆるスーパーモデルと共に快進撃を続け、ゲイカルチャーの、Top of Topでもあり、ジョージマイケルの「Too Funky!」では世界中のファッショニスタが❤️❤️❤️ってなって、TOKYOでも国技館で宮沢りえさんや本木雅弘さんがショーを盛り上げ、それこそ時代の寵児になって、そのあたりの作品の方が彼の代表作となっているし、最近ではキムカーダシアンがよく着ていたけれど。

僕は80年代前半の彼の、ハリウッドグラマラスを軸としたファンタジーで、おしゃまなネコちゃんやらハートの女王の行進やら漫画の吹き出しのバックやら、、、リンダやナオミももちろん素晴らしかったけど、ジェリーホールやイマン、小夜子やパッド。。。それこそMUSEやDIVAと呼ばれる、元祖スーパーモデル達のまるでランウェイが、リングか土俵かのように、きらきらと舞ながら闘うように見えて、すっかりファッションというものに心奪われたのでした。

元々バレエダンサーで、自らも肉体を鍛えていた(晩年は色々やり過ぎ感が否めないけれど、、、)彼と、90年代のTOKYOのクラブでのパーティーで会った事がある。沢山の取り巻きに囲まれていてまさに「STAR」だった。僕のGAYの友人はその時にピックアップされて、その後パリに行ったりしてた(笑)その彼が着ていた美しい仕立てだけど、僕にはとても着こなせないパープルのジャケットを思い出す。彼の鍛えた体にはとても良く似合ってた。


KENZO、KANSAI、MUGLER
Diorやサンローランは殿堂入りとして、この3人が僕のデザイナーとしての3大STARだ。

そして3人とも文字通り星になってしまった。

ミュグレーのシグニチャーでもある香水のボトルのデザインも煌めく星だ。

これからも僕の人生の道標として、ずっと輝き続けて欲しい。